扉の外 (電撃文庫)

なんだか、評価がまっぷたつらしい。まあ、そうだろうなぁ。「すべての伏線はすべからく回収すべし」という考えの人は読まないほうがよいと思う。また、登場人物がどいつもこいつも「むかつくガキ」なので、まっとうな社会人にはちょっとつらいかもしれない。
一応テーマははっきりしていてぶれないので、僕はそこそこ楽しめた。ただ、この手の作品としては、キャラをもう少し普通の人間として描いてほしかった。なんというか、パラメータが透けて見えるような感じが……(「ゲーム小説」だから、というわけではあるまいが)。
……ところで、「頭がよい」という設定のはずのキャラたちがなかなかゲームのルールに気づかないのは、やっぱ薬か催眠のせいなのかなぁ? そういう可能性を匂わせておいてキャラの理解力を低くするのは、ちょっとずるいような。それとも、すぐに理解した僕が、デスゲーム小説や映画に毒されているのか……。
続編も決まっているらしいが、続編を作るような作品じゃないような気がする。続けるのなら、全然違うキャラと場所でやってほしい。

扉の外 (電撃文庫)

扉の外 (電撃文庫)