ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

もしもこの本をまだ読んでいなくて、これから読もうと思っているのなら、いかなる書評も感想も見ずに読むことをおすすめします。構えて読むと損をするタイプの小説だと、僕は思う(この警告ですら余計なほどに)。

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

念の為、「続きを読む」にしておく。
とにかく真っ直ぐで、綺麗なファンタジー。素晴らしい。特に構成と主人公のセリフ周りは新人のレベルを超えていると思う。
ちょっと読みにくい感じもあるけど、新人でこれだけ書ければ十分でしょう。文章に対する接し方は真摯に思えるし、新人としての気負いがなくなれば、一気に化けるんじゃないかと。
こういうのが出てくるから、布団の上まで本に侵蝕されても、買うのをやめられないんだよなぁ……。

ところで、他の人の感想を眺めてみると、意外に「電撃らしくない」「ラノベらしくない」という感想が多いなぁ。僕はこういう懐の広さは電撃らしいと思うし、これからも残して欲しいところなんだけど……。なんとなく、ハードカバーや一般向けのレーベルに行きそうな気もする。
まあ、いずれにせよ、今後の動向に注目したい。