クドリャフカの順番―「十文字」事件

先日『夏期限定〜』の解説を読んで、<古典部>シリーズの新刊を読み逃していたことを知ったので慌てて買った。んで読了。面白かった。
キャラクター、舞台、それぞれのシーンの係わり合い、ドラマと謎解きのバランス、どれをとっても素晴らしい。また、事件の背景も、僅かにでも表現者を志したことのある人には胸を打つものがあるはず。シーンごとに古典部員それぞれの一人称で描かれる聖エルザ方式も、文化祭の空気を表現するのに適していたと思う。
(実際にこんな時代があったかどうかはともかく)読めばたちまち心が学生時代に立ち戻る一冊。お勧め。ただし前2作のネタも踏まえつつ進むので、『氷菓』『愚者のエンドロール』も読んだ上で。

クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件


(26日深夜追記:アマゾンのレビューはさりげなく核心に繋がるネタバレがあるので注意。僕も柄にもなく内容にまで突っ込んで書きすぎたので反省。でも書いたものは消さない)